歩く、走る、ジャンプする――私たちの日常動作やスポーツ活動で欠かせない「アキレス腱」。この部位に痛みが出ると、一歩踏み出すことさえ辛くなる方も多いでしょう。特にスポーツ愛好者や立ち仕事をしている方は、アキレス腱の痛みを経験する割合が高く、違和感を放置してしまうと症状が悪化して長期の治療が必要になることもあります。本記事では、アキレス腱の痛みの原因や放置した場合のリスク、整骨院での治療法、そして今日からできるセルフケアについてわかりやすく解説します。
アキレス腱の痛みの原因を知る
スポーツや運動によるオーバーユース

ランニングやジャンプ動作を繰り返すスポーツは、ふくらはぎからかかとにかけて強い負荷を与えます。特に練習量が急に増えたときや、十分なウォーミングアップを行わずに激しい運動を続けた場合、アキレス腱に細かな損傷が起きて炎症が発生します。これが「アキレス腱炎」の代表的な原因です。
加齢や筋力低下による影響
年齢を重ねると腱の柔軟性が低下し、血流も悪くなるため修復力が落ちます。そのため、40代以降の方にアキレス腱の痛みが増える傾向があります。さらに日頃からふくらはぎの筋肉をあまり使わない生活をしていると、筋力低下によって腱への負担が大きくなり、炎症を引き起こしやすくなります。
歩き方と距骨の歪みが与える負担
歩き方のクセはアキレス腱に大きな影響を与えます。例えば、つま先が外側や内側に流れる歩き方を続けると、アキレス腱の一部に負担が集中して炎症を起こしやすくなります。さらに、足首の要となる「距骨」が歪むと、全身のバランスが崩れ、足首やアキレス腱にかかるストレスが増大します。距骨の歪みは自分では気づきにくいため、痛みが続く場合には専門家による調整が有効です。
放置するとどうなる?リスクと悪化の流れ
慢性化して治りにくくなる
アキレス腱の痛みを我慢して運動や仕事を続けていると、炎症が長引き慢性化する恐れがあります。急性期の炎症は安静や適切な治療で改善しやすいのに対し、慢性化すると腱の組織が硬く変性し、血流も悪化するため自然治癒力が低下します。その結果、痛みが取れにくくなり、歩行や階段の上り下りといった日常動作にも支障が出ます。さらに、回復まで数か月単位の時間を要するケースも少なくありません。早期に治療を受ければ数週間で改善する症状も、慢性化すれば長期的なリハビリが必要になるため、放置せず早めの対応が重要です。
断裂のリスク
アキレス腱は体の中でも最も強い腱のひとつですが、過度な負荷や炎症を抱えたまま使い続けると断裂する危険があります。断裂はスポーツ中に急なダッシュやジャンプをした瞬間に多く発生し、「ブチッ」と音がしたと同時に激しい痛みと歩行困難に見舞われます。特に40代以降では腱の柔軟性や血流が低下するため、断裂リスクが高まります。一度断裂すると自然治癒は難しく、手術や長期の固定が必要となり、復帰まで数か月を要するケースもあります。早期の段階で治療やケアを受けておくことで、この重大なリスクを未然に防ぐことができます。
日常生活への影響
アキレス腱に痛みが出ると、歩行や立ち上がり、階段の上り下りといった日常の基本動作が大きく制限されます。特に朝起きて一歩目を踏み出す際の強い痛みや、長時間歩いた後の鈍痛は多くの方が感じる症状です。さらに、通勤や買い物といった日常生活に支障をきたすだけでなく、痛みをかばって歩くことで膝や腰に余計な負担がかかり、二次的な不調を招くこともあります。痛みによる活動量の低下は筋力低下を招き、回復を遅らせる悪循環に陥りやすいため、生活の質を守るためにも早めの治療とケアが欠かせません。
整骨院でのアキレス腱治療
徒手療法で筋肉と腱のバランスを整える
整骨院で行う徒手療法は、硬くこわばったふくらはぎの筋肉をほぐし、血流を改善してアキレス腱にかかる負担を和らげます。
さらに重要なのが足首の要である「距骨」の調整です。距骨は全身のバランスを支える骨で、わずかな歪みでも歩き方や姿勢に影響し、アキレス腱へ過剰なストレスを与える原因となります。
徒手による距骨の矯正で足首の可動域を改善し、筋肉と腱の動きをスムーズにすることで、自然治癒力を高めながら再発しにくい状態をつくります。根本的な改善を目指すうえで欠かせないアプローチです。
電気療法による痛みと炎症の軽減
最新の電気治療機器を活用するのも整骨院の強みです。
ハイボルテージ治療では深部の炎症を抑え、痛みを軽減します。
アキュスコープは微弱電流を流すことで細胞の修復をサポートし、回復を早める効果があります。
こうした物理療法は、手技だけでは届かない深部の組織に働きかける点が特徴です。
再発予防のためのリハビリ指導
治療と並行して重要なのがリハビリです。ふくらはぎの筋力強化や足首の可動域改善のためのエクササイズを指導し、再発しない身体作りを目指します。整骨院では一人ひとりの生活習慣や体の状態に合わせた運動メニューを提案します。
今日からできるセルフケア
ふくらはぎのストレッチ
壁に手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床につけたままふくらはぎを伸ばすストレッチは簡単で効果的です。
朝晩の習慣にするとアキレス腱への負担軽減につながります。
冷却・温熱の使い分け
痛みが強い急性期はアイスパックで冷却し、炎症を鎮めます。ある程度回復してきたら温熱療法で血流を促進し、修復を助けます。この切り替えを誤ると症状が長引くため注意が必要です。
靴やインソールの見直し
クッション性のある靴や、自分の足に合ったインソールを使用することで、アキレス腱への負担を軽減できます。
日常的に履いている靴を点検し、合わないものは早めに見直しましょう。
早めに専門家に相談する重要性
自己判断の危険性
「湿布を貼っておけば治るだろう」「少し休めば大丈夫」と思って放置すると、前述したように慢性化や断裂につながる恐れがあります。特にスポーツをしている方や立ち仕事をしている方は、早期に専門家へ相談することが回復への近道です。
整骨院での継続サポート
アキレス腱の痛みは、一度治ったように感じても再発しやすい特徴があります。そのため、症状が軽快した段階で通院をやめてしまうと、日常生活や運動で再び負担がかかり、痛みが戻るケースが少なくありません。
整骨院に継続して通うことで、徒手療法や電気治療によるケアだけでなく、ストレッチや筋力トレーニングの指導を受けながら再発を予防できます。また、体の使い方や歩き方のクセを修正するサポートも得られるため、根本的な改善につながります。
痛みを繰り返さず長期的に健康を維持するには、整骨院での定期的なケアが有効です。
まとめ
アキレス腱の痛みは、放置すれば慢性化や断裂といった大きなリスクにつながります。
整骨院での専門的な治療は、痛みを和らげるだけでなく根本原因を改善し、再発を防ぐことができます。
今日からできるストレッチや靴の見直しを実践しつつ、違和感を感じたら早めに整骨院へご相談ください。
行動を先延ばしにせず、適切な治療を受けることで「歩ける」「走れる」喜びを取り戻しましょう。
エール接骨院のご紹介
エール接骨院は名東区藤が丘駅徒歩2分、提携駐車場完備の接骨院です。足の専門施術・距骨調整で、外反母趾や偏平足、姿勢や歪みを改善し肩こり・腰痛・スポーツ障害まで根本改善する整骨院です。
足・脚の不調対応(外反母趾・偏平足・O脚など)
体の土台を整えることで、下半身の悩みや体全体の不調を改善することができます。
スポーツ障害治療
交通事故治療
この記事を書いた人
エール接骨院 院長江里口隆之

経歴
- 滋賀大学教育学部卒業
- 米田柔整専門学校卒業
- サンマルシェわたなべ接骨院勤務
- さくらリバース治療院勤務
- 2009年 独立しエールながくて接骨院開院
2017年 エール接骨院に改名
資格
- 柔道整復師(2000年免許取得)
メッセージ
患者さんの健康にエールが送れるように考えて施術しています。しっかりと患者様の痛みや不調に寄り添いますのでどんなことでもご相談ください。
ご予約・お問い合わせ
当院は完全予約制でご案内させていただいております。
新規のお客様、ご予約をしていないお客様は、お電話・LINE・フォームより事前にご連絡ください。
【午前】10:00 ~ 12:00 【午後】15:00 ~ 21:00 (予約受付は19:00まで)
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