40代を過ぎたあたりから、「階段の上り下りがつらい」「正座がしにくくなった」など、膝の違和感を感じる方が増えてきます。
「年齢のせいかな」と思ってそのままにしていませんか?
実は、膝の痛みには加齢だけでなく、日々の姿勢や筋力の低下、体の使い方のクセなど、さまざまな原因が関係しています。
このコラムでは、膝の痛みの原因や、日常生活でできるケアの方法、そして必要に応じた専門的なサポートについて、わかりやすくご紹介していきます。
膝の痛みの主な原因
骨・関節由来の痛み(骨性)
膝の骨・関節由来の痛みは、主に関節の変形や損傷によって引き起こされます。
代表的な疾患に「変形性膝関節症」があり、加齢や過度な負荷により関節軟骨がすり減ることで、骨同士が直接接触し、痛みや腫れ、関節の動きの制限が生じます。
また、半月板損傷や骨棘(こつきょく)の形成も骨性の痛みの原因となり、関節内での引っかかり感や鋭い痛みを伴うことがあります。
さらに、関節リウマチなどの炎症性疾患では、関節内に慢性的な炎症が起こり、骨や軟骨が破壊されていきます。
これらの骨性の痛みは進行性であることが多いです。
軟部組織由来の痛み(靭帯・滑液包・脂肪体など)
膝の痛みは、骨や軟骨だけでなく、靭帯・滑液包・脂肪体といった軟部組織が原因になることがあります。
靭帯は関節を安定させる役割を持ちますが、スポーツや過度な負荷により炎症や損傷を起こすと痛みの原因になります。
滑液包は関節の動きを滑らかにするクッションのような存在で、炎症を起こすと腫れや痛みが出現します。
特に膝蓋下脂肪体は神経が豊富で、膝前面の痛みの主な原因となることが多く、繰り返しの刺激や圧迫で炎症を起こしやすい組織です。
筋・筋膜由来の痛み
膝の痛みの原因は、関節や骨の異常だけではありません。
実は、筋肉や筋膜が原因になる場合も多くあります。
緊張して硬くなった筋肉や筋膜が膝の曲げ伸ばしの際に引っ張ることで膝の前面や内側に痛みを感じることがあります。
このような痛みは、レントゲンやMRIでは異常が見つからないことも多く、原因がわからずに悩む方も少なくありません。
40代以降の方や、スポーツで膝を酷使している方に多く見られ、長時間の同じ姿勢や繰り返しの動作によって筋肉が硬くなり、柔軟性が低下することで発症しやすくなります。
膝そのものに問題があるわけではないため、見逃されやすいのも特徴です。
エール接骨院から見た膝の痛みの治療ポイント
距骨の歪みによる膝のアライメントの崩れ
足首の骨のひとつである「距骨(きょこつ)」がズレたり傾いたりすると、体のバランスが崩れてしまいます。
距骨は体の重さを支える大事な骨なので、ここが歪むと足の向きや動きが変わり、それが膝にも影響を与えます。
たとえば、距骨が傾くと、膝もねじれてしまい、関節に余計な負担がかかります。
その結果、膝の痛みや違和感が出てくることがあります。
特に歩いたり立ったりする時間が長いと、痛みが強くなることも。
このような場合は、足元から体のバランスを整えることで、膝の痛みをやわらげることができます。
体のつながりの乱れによる膝の負担増加
体はすべてつながっていて、どこか一部のバランスが崩れると、他の部分にも影響が出ます。
たとえば、足首や骨盤、背骨のゆがみがあると、体全体の姿勢が崩れ、それが膝に負担をかけてしまいます。
こうした「体のつながりの乱れ」によって、膝の関節が本来の動き方をできなくなり、痛みや違和感が出てくるのです。
特に、長時間の立ち仕事や歩き方のクセがある人は、知らないうちに体のバランスが崩れていることがあります。
他の関節の可動域制限による代償動作
体のどこかの関節がうまく動かなくなると、他の部分がその動きをカバーしようとして、無理な動きをすることがあります。
これを「代償動作(だいしょうどうさ)」といいます。
膝の場合、股関節や足首のようなよく動く関節の動きに制限があると、その分を膝が頑張って動こうとして、普段よりも大きな負担がかかってしまいます。
その結果、膝に痛みが出たり、炎症が起きたりすることがあります。
これは、膝自体に問題があるのではなく、他の関節の動きの悪さが原因で起こる痛みです。
膝の痛みのセルフケア
距骨の調整による膝痛のセルフケア
体の土台となる距骨を安定させるためのうんどうとなります。
- 両足幅こぶし1個分空けて立ちます。
- どちらかの足を1歩前に出します。
- 出した方の膝を曲げます。
この時膝が中指、薬指に向かうように曲げていきます(足の親指の方にいかないように注意します)。 - 膝を伸ばします。
- 3、4を10回行います。
体のつながりの乱れからくる膝痛のセルフケア
①太ももの前側を伸ばすストレッチ
- 壁に手をついて立ち、片足の足首を持ってお尻に近づけるように引き寄せます。
- 太ももの前側が伸びているのを感じながら、20〜30秒キープ。
- 左右交互に行いましょう。
②太ももの裏側(ハムストリング)を伸ばす
- 片足を前に出し、膝を軽く曲げて体を前に倒します。
- 太ももの裏が伸びているのを感じながら、20〜30秒キープ。
他の関節の代償動作からくる膝痛のセルフケア
①股関節のストレッチ(腸腰筋)
- 片脚を前に出して膝を曲げます。
- 骨盤を前に押し出すようにして、股関節の前側を伸ばします。
- 20〜30秒キープ、左右交互に。
②足首の柔軟性アップ(ふくらはぎストレッチ)
- 壁に手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床につけたまま前足に体重をかけます。
- ふくらはぎが伸びるのを感じながら30秒キープ。
③お尻の筋肉(中臀筋・大臀筋)のストレッチ
- 仰向けに寝て、片足を反対の膝に乗せ、下の足の太ももを抱えて胸に引き寄せます。
- お尻の外側が伸びるのを感じながら30秒キープ。
まとめ
膝の痛みは、膝そのものだけが原因ではなく、足首や股関節、骨盤など他の関節の動きが悪くなっていることで、膝に余計な負担がかかっている場合も多いんです。
これは“代償動作”といって、体のどこかがうまく動かない分を、膝が無理にカバーしてしまうことで起こります。
ご自宅でできるストレッチや姿勢の見直しもとても大切ですが、体のバランスや動きのクセは自分では気づきにくいこともあります。
そういった場合は、私たち接骨院で体全体の状態をしっかりチェックし、膝に負担をかけている原因を見つけて整えていくことが、根本的な改善につながります。
『膝が痛い=膝だけの問題』ではないことが多いので、ぜひ一度、体のつながりを見直すためにもご相談ください。
エール接骨院のご紹介
エール接骨院は名東区藤が丘駅徒歩2分、提携駐車場完備の接骨院です。足の専門施術・距骨調整で、外反母趾や偏平足、姿勢や歪みを改善し肩こり・腰痛・スポーツ障害まで根本改善する整骨院です。
足・脚の不調対応(外反母趾・偏平足・O脚など)
体の土台を整えることで、下半身の悩みや体全体の不調を改善することができます。
スポーツ障害治療
交通事故治療
この記事を書いた人
エール接骨院 院長江里口隆之

経歴
- 滋賀大学教育学部卒業
- 米田柔整専門学校卒業
- サンマルシェわたなべ接骨院勤務
- さくらリバース治療院勤務
- 2009年 独立しエールながくて接骨院開院
2017年 エール接骨院に改名
資格
- 柔道整復師(2000年免許取得)
メッセージ
患者さんの健康にエールが送れるように考えて施術しています。しっかりと患者様の痛みや不調に寄り添いますのでどんなことでもご相談ください。
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