「歩いていると足の付け根が痛む」「長時間座った後に立ち上がると違和感がある」──こうした経験をされる方は意外と多いです。
足の付け根は股関節や骨盤と密接に関わり、日常の動作やスポーツ動作に大きな影響を与える部分です。
痛みの原因は筋肉や関節の使い過ぎ、生活習慣のクセ、さらには加齢による関節の変化などさまざま。また男女によっても差があります。そして放置すると慢性的な痛みや歩行障害につながることもあります。
本記事では、足の付け根の痛みの「原因」「整骨院での治療法」「今日からできるセルフケア」まで、専門家の視点でわかりやすく解説します。
股関節の痛みの特徴

足の付け根の痛みは、多くの場合「股関節」に関係しています。股関節は体を支える重要な関節で、加齢や姿勢の癖、歩き方によって大きな負担がかかるため、不調や痛みが起こりやすい部位です。
臨床や研究データによると、股関節の痛みは女性に多いことが報告されています。特に「変形性股関節症」は男性に比べて女性の発症率が4~5倍高く、日本整形外科学会の調査でも確認されています。女性に多い理由は以下の通りです。
骨盤の形状:女性は骨盤が横に広く、股関節に負担がかかりやすい構造。
骨の強度:女性は骨密度が男性より低く、加齢とともに骨や関節にかかる負荷に弱くなる。
歩き方のクセ:内またや片足重心などの歩行習慣が股関節にねじれストレスを与え、痛みや変形のリスクを高める。
先天性要因:先天性股関節脱臼や発育不全が女性に多い。
これらの要因が重なり、女性は慢性的な股関節の痛みに悩むケースが多くなります。
股関節の痛みの分類
股関節の痛みの代表的な原因
・変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接ぶつかることで痛みや動きの制限が起こる関節の病気です。
加齢や先天性の骨の形の違い、過去の外傷や関節への負担の蓄積が原因で発症します。進行すると股関節の動きが硬くな
り、歩行時や立ち上がり時に痛みを感じることが多く、日常生活に大きな支障を与えます。
主な症状
足の付け根やお尻の痛み
股関節の可動域制限(開脚や屈曲がしにくい)
長時間歩くと痛みが増す
立ち上がりや階段昇降で痛む
・姿勢や歩き方のクセと筋肉の疲労
股関節周囲の筋肉は、歩行や立位の際に日常的に負担がかかります。長時間の立ち仕事や片足重心、内また歩きなどの姿
勢や歩き方のクセがあると、特定の筋肉に過度な負荷が集中し、炎症や疲労が蓄積します。この状態が続くと筋肉の柔軟性が
低下し、股関節の動きが制限されるだけでなく、関節にかかる負荷も増加して痛みや変形のリスクを高めます。
内また歩きと股関節の変形
「内また歩き(内股)」は、股関節に内旋ストレスをかけ続ける歩き方です。この状態が長く続くと関節に偏った負担がかかり、軟骨がすり減りやすく変形性股関節症のリスクを高めます。特に女性は骨盤の形状から内またになりやすく、放置すると痛みや変形につながる可能性があります。
整骨院での股関節治療(治療・施術)
手技療法で筋肉・関節を整える
股関節まわりの筋肉をほぐす徒手療法に加えて、距骨調整を行うことで、足首から骨盤までの骨格のバランスを整え、股関節への負担を根本から軽減できます。距骨は足首の中心に位置し、歩行や立位の際に股関節へかかる力の伝達に大きく関わるため、ここを正しい位置に戻すことで股関節の動きがスムーズになり、痛みの原因となる関節のねじれや偏った荷重を改善します。
また、筋肉の柔軟性を高めることで、股関節周囲の血流が促進され、炎症や疲労の回復も期待できます。
物理療法
電気治療や温熱療法は、股関節や周囲の筋肉・腱の血流を改善し、炎症や疲労の回復を促す効果があります。電気治療では微弱な電流を流すことで筋肉の緊張を緩め、痛みを抑えるとともに筋肉や関節への栄養供給をサポートします。これにより筋肉や関節の柔軟性が高まり、股関節の動きがスムーズになり、痛みの軽減や炎症の改善につながります。定期的に行うことで、再発予防や日常生活の動作改善にも効果が期待できます。
姿勢・歩行指導
内また歩きや片足重心は、股関節にねじれや偏った負荷をかけ、痛みや変形の原因となります。整骨院では、まず姿勢の評価を行い、どの筋肉や関節に負担がかかっているかを確認します。その上で、股関節周囲やお尻の筋肉を鍛える運動や、骨盤の安定性を高める体幹トレーニングを指導します。また、歩行や立位の際の重心の置き方、足の着地の位置、膝の向きなど具体的な姿勢指導を行い、日常生活で正しい動作を意識できるようサポートします。これにより股関節への負担を減らし、痛みの軽減と変形の予防につなげます。
今日からできるセルフケア
ストレッチ
股関節の痛みに効果的なストレッチは、柔軟性を高め関節の負担を減らすことが目的です。
・大腿前面のストレッチ:立った姿勢で片足を後ろに曲げ、かかとをお尻に引き寄せることで大腿四頭筋を伸ばします。
・お尻の筋肉(臀部)のストレッチは:床に仰向けになり片膝を反対側の胸に引き寄せることで股関節周囲の筋肉をほぐします。
・腸腰筋ストレッチ:片膝を床につきもう片方の膝を立て前傾姿勢をとることで骨盤前面と股関節屈筋を伸ばします。
これらを毎日1回、各30秒~1分行うことで、股関節の柔軟性が向上し、痛みの軽減や再発予防に役立ちます。
生活習慣の見直し
足の付け根や股関節の痛みを防ぐには、日常生活での姿勢や動作の工夫が大切です。ニーイン・トゥーアウト(膝が内側に入り、つま先が外を向く姿勢)にならないよう意識することで、膝や股関節への負担を減らせます。一方、あぐらは股関節を開く良い姿勢であり、柔軟性を高める効果があるため、痛みがない範囲で取り入れるとおすすめです。さらに、長時間の立位や片足重心を避け、正しい歩き方や姿勢を意識することで、股関節への負担を分散させ、痛みの予防や再発防止につながります。
放置せず早めに専門家へ
足の付け根の痛みを「年齢のせい」と放置すると、変形が進行し治療が難しくなります。早期に整骨院や医療機関で相談すれば、症状の進行を防ぎ、快適な生活を取り戻すことが可能です。
まとめ
足の付け根の痛みは、先天的な骨の形や変形性股関節症などの病気だけでなく、日常生活での使い方が大きく関わります。片足重心や内また歩き、長時間の立位など、股関節に偏った負担をかける習慣が筋肉や関節の炎症・疲労を引き起こし、痛みの原因となります。整骨院では徒手療法や距骨調整、物理療法に加え、歩き方や姿勢の指導を行い、股関節への負担を分散させることで痛みの軽減と再発予防を目指します。セルフケアも取り入れつつ、痛みが続く場合は放置せず早めに専門家に相談することが重要です。
エール接骨院のご紹介
エール接骨院は名東区藤が丘駅徒歩2分、提携駐車場完備の接骨院です。足の専門施術・距骨調整で、外反母趾や偏平足、姿勢や歪みを改善し肩こり・腰痛・スポーツ障害まで根本改善する整骨院です。
足・脚の不調対応(外反母趾・偏平足・O脚など)
体の土台を整えることで、下半身の悩みや体全体の不調を改善することができます。
スポーツ障害治療
交通事故治療
この記事を書いた人
エール接骨院 院長江里口隆之

経歴
- 滋賀大学教育学部卒業
- 米田柔整専門学校卒業
- サンマルシェわたなべ接骨院勤務
- さくらリバース治療院勤務
- 2009年 独立しエールながくて接骨院開院
2017年 エール接骨院に改名
資格
- 柔道整復師(2000年免許取得)
メッセージ
患者さんの健康にエールが送れるように考えて施術しています。しっかりと患者様の痛みや不調に寄り添いますのでどんなことでもご相談ください。
ご予約・お問い合わせ
当院は完全予約制でご案内させていただいております。
新規のお客様、ご予約をしていないお客様は、お電話・LINE・フォームより事前にご連絡ください。
【午前】10:00 ~ 12:00 【午後】15:00 ~ 21:00 (予約受付は19:00まで)
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