日常生活で多い「かかとの痛み」。歩くたびにズキッと痛む、朝起きて一歩目がつらい、長時間立ち仕事の後にかかとがしびれるように痛む……。こうした症状は放置すると悪化する可能性があります。
本記事では 「かかとの痛みの原因」「治療法」「セルフケア」 をわかりやすく解説。今日から取り入れられる対策や、早めに専門家に相談すべきサインについても紹介します。
かかとの痛みの分類と原因
朝の一歩目で強い痛みが出るタイプ(足底腱膜炎など)

足底腱膜炎は、かかとから足の指の付け根までを支える腱膜に炎症が起こることで生じます。特に就寝中は足底腱膜が縮んだ状態で休んでいるため、朝起きて最初に足をついた瞬間に強い引き伸ばしがかかり、かかとに鋭い痛みを感じやすくなります。歩き続けるうちにだんだんと痛みが和らぐのが特徴です。しかし、長時間の立ち仕事や歩行によってかかとに過度な負担がかかる場合や、クッション性の低い靴やサイズの合わない靴を履くことで衝撃が吸収されず、炎症を悪化することもあります。放置すると慢性化し、長期間にわたり歩行や運動に支障をきたす恐れがあるため、早めの対策が必要です。
運動後に痛みが出るタイプ(アキレス腱炎など)
かかとの後ろの方(アキレス腱の付け根付近)の痛みが特徴です。ランニングやジャンプ動作などで繰り返しかかとに衝撃が加わると、アキレス腱やかかと周囲の組織に炎症が起きやすくなります。特に運動直後よりも数時間後、あるいは翌日にかかとがズキズキ痛んだり、冷えると痛みがでるのが特徴です。
ランニングやバスケットボールなど、ジャンプや着地の動作が多いスポーツではかかとに強い負担がかかりやすく、さらに急に運動量を増やした場合も足の組織が対応できず炎症を引き起こすことがあります。また、長時間の歩行や立ち仕事でも同様に負担が蓄積し、筋肉や腱の疲労からかかとに痛みが出ることがあります。そのまま放置すると炎症が慢性化し、階段の昇り降りや普段の歩行にも支障をきたす恐れがあります。
成長期特有のかかと痛(シーバー病など)
成長期特有のかかと痛として代表的なのが「シーバー病(踵骨骨端症)」です。これは10歳前後の活発に運動する子どもに多く見られる症状で、かかとの骨の成長軟骨にアキレス腱や足底腱膜が強く引っ張られることで炎症が起こります。サッカーやバスケットボールなど走る・跳ぶ動作の多いスポーツで発症しやすく、運動後にかかとの痛みや腫れを訴えるのが特徴です。成長期を過ぎると骨も安定するので適切に対処すれば予後は良好ですが、繰り返すことも多く、放置すると長引く場合があります。治療では運動量の調整、ストレッチ、アイシング、クッション性のある靴の使用などが有効です。
かかとの痛みの治療法(整骨院での施術)
徒手療法(マッサージ・ストレッチ)
かかと周囲やふくらはぎの筋肉を丁寧にほぐすことは、かかと痛の改善にとても重要です。ふくらはぎの筋肉が硬くなるとアキレス腱や足底腱膜を強く引っ張り、かかとに過度な負担をかけてしまいます。手技によるマッサージやストレッチで筋肉の緊張を和らげると、血流が促進されて疲労物質や炎症を引き起こす物質が排出されやすくなります。さらに柔軟性が戻ることで、歩行や運動時にかかる衝撃が足全体に分散され、局所への負担が減少します。結果として、痛みの軽減や再発予防につながる効果が期待できます。
矯正・バランス調整
かかとの痛みは足首や全身のバランスの乱れが影響していることも多く、その調整として有効なのが矯正・バランス調整です。特に「距骨(きょこつ)」と呼ばれる足首の中心にある骨は、全身を支える土台の役割を持ち、わずかな歪みでも足のアライメントが崩れ、かかとに大きな負担をかけてしまいます。距骨を正しい位置に整えることで、足首や膝、骨盤のバランスも改善し、歩行時の衝撃を分散しやすくなります。
物理療法
ハイボルテージ治療は、高電圧の電流を用いて深部の炎症や痛みを抑える効果があり、即効性の高いアプローチとして知られています。一方、アキュスコープ治療は微弱電流を用いて細胞レベルの修復を促すことができ、組織の回復力を高めるのに適しています。これらを組み合わせることで、急性期の強い痛みから慢性的なかかと痛まで幅広く対応でき、自然治癒力を引き出しながら症状の改善を目指せます。さらに、筋肉や腱の緊張緩和とも相乗効果があり、再発予防にもつながるのが大きな特徴です。
かかとの痛みのセルフケア
今日からできるセルフケア
足裏のストレッチ:タオルを足の指に引っかけて行います。
イスに腰かけ、片足を伸ばしてタオルを足先にかけ、ゆっくり手前に引くことで足底腱膜やアキレス腱を
同時に伸ばせます。
朝起きて最初に足をつく前に行うと、かかとへの負担を軽減できます。
ふくらはぎのストレッチ:壁に両手をついて片足を後ろに大きく引き、かかとを床につけたまま体を前に倒します。
アキレス腱からふくらはぎ全体を心地よく伸ばせ、筋肉の柔軟性を高める効果があります。
足裏マッサージ:ゴルフボールや青竹を床に置き、その上に足をのせて転がすだけで簡単に実践できます。
足底の筋膜を刺激し、血流を改善することで痛みの緩和や疲労回復につながります。
姿勢の見直し
姿勢の見直しも、かかと痛の改善に欠かせないポイントです。立ち姿勢や歩行の際に前足部(足の指の付け根側)に体重がかかりすぎると、バランスを取ろうとしてかかとやアキレス腱に過度な負担がかかります。その結果、足底腱膜やかかと周囲の筋肉に緊張が生じ、炎症や痛みにつながりやすくなります。特にヒールの高い靴や猫背姿勢は重心を前方に偏らせやすいため注意が必要です。意識的に背筋を伸ばし、後方の外側に体重を立つことが大切です。一見かかとが痛いのにかかとに体重を乗せるの?と思うかもしれませんが、かかとの痛みはかかとが痛いわけではなく、かかとに付く筋肉が引っ張ることによってできるので、かかとに体重をのせることで骨で立つことになり、筋肉の引っ張りが減るため痛みの改善と再発予防につながります。
セルフケアの限界と注意点
セルフケアで一時的に楽になることもありますが、痛みが長引く場合や悪化する場合は専門家の診断が必要です。無理に自己流で続けると逆効果になることもあります。
まとめ
かかとの痛みは、立ち仕事やスポーツ、体のゆがみなど原因が多岐にわたる症状です。放置すると膝や腰への負担にもつながり、生活の質を大きく下げてしまいます。
本記事で紹介したセルフケアは「今日からできること」ばかりですが、改善が見られない場合や痛みが強まる場合には、早めに接骨院へご相談ください。
当院では、原因をしっかり見極め、適切な治療を行い、セルフケアまで丁寧にサポートしています。かかとの痛みで悩んでいる方は、一人で抱え込まずに専門家へ相談することが、健康的な毎日への第一歩です。
エール接骨院のご紹介
エール接骨院は名東区藤が丘駅徒歩2分、提携駐車場完備の接骨院です。足の専門施術・距骨調整で、外反母趾や偏平足、姿勢や歪みを改善し肩こり・腰痛・スポーツ障害まで根本改善する整骨院です。
足・脚の不調対応(外反母趾・偏平足・O脚など)
体の土台を整えることで、下半身の悩みや体全体の不調を改善することができます。
スポーツ障害治療
交通事故治療
この記事を書いた人
エール接骨院 院長江里口隆之

経歴
- 滋賀大学教育学部卒業
- 米田柔整専門学校卒業
- サンマルシェわたなべ接骨院勤務
- さくらリバース治療院勤務
- 2009年 独立しエールながくて接骨院開院
2017年 エール接骨院に改名
資格
- 柔道整復師(2000年免許取得)
メッセージ
患者さんの健康にエールが送れるように考えて施術しています。しっかりと患者様の痛みや不調に寄り添いますのでどんなことでもご相談ください。
ご予約・お問い合わせ
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