皆さんは「距骨(きょこつ)」という骨をご存知でしょうか?
足首の中にある小さな骨で、普段の生活ではあまり意識されることが少ない部位です。しかし、この距骨は私たちの体全体のバランスに大きく関わる、とても重要な骨です。距骨がゆがむと、足首の痛みだけでなく、膝や腰、さらには肩や首にまで不調が広がってしまうこともあります。
本コラムでは、距骨とはどんな骨なのか、なぜゆがむのか、そして整骨院での治療について詳しく解説していきます。
距骨とは何か?
距骨の位置と役割

距骨は、足首の関節の中央にある小さな骨です。すねの骨(脛骨・腓骨)と、かかとの骨(踵骨)の間に挟まれるように存在しています。
他の骨と違って、距骨には筋肉が付着していません。そのため、他の骨や筋肉、靭帯の影響を受けやすく、バランスを崩しやすい特徴があります。
全身のバランスを支える要
距骨は「体の土台」である足首の中心を担っており、立つ・歩く・走るといった動作に大きく関与しています。
距骨が正しい位置にあることで、重心が安定し、全身の姿勢が整います。
逆に距骨がズレると、骨盤や背骨にまで影響が及び、全身のゆがみにつながるのです。
距骨のゆがみが引き起こす不調
足首の不安定感と痛み
距骨がズレると、足首の動きが不安定になり、捻挫を繰り返しやすくなります。
また、足首の可動域が狭くなることで、足がむくみやすくなったり、階段の上り下りや長時間の歩行が辛くなることもあります。
膝・腰への負担
距骨のゆがみは、膝関節に余計な負担をかけ、膝の痛みや変形性膝関節症のリスクを高めます。
さらに、骨盤の傾きや腰のバランスにも影響し、慢性的な腰痛を引き起こす原因にもなります。
肩こりや頭痛にも関係
驚くことに、距骨のゆがみは下半身だけでなく、肩や首の不調にもつながります。
体の土台である足元が崩れると、姿勢全体が歪み、猫背やストレートネックを招き、
肩こりや頭痛を悪化させてしまうのです。
距骨がゆがむ原因
生活習慣による影響
長時間の立ち仕事
立ちっぱなしの状態が続くと、足首やふくらはぎの筋肉に大きな負担がかかります。
本来、距骨は体重を均等に支える役割を持っていますが、同じ姿勢で長時間立っていると筋肉が硬直し、
足首の可動性が低下します。
その結果、重心が外側や内側に偏り、距骨がわずかにズレた状態で固定されやすくなるのです。
また、血流やリンパの循環も悪くなり、むくみが加わることでさらに歪みやすくなります。
片足重心で立つ癖
無意識に片足に体重をかけて立つ習慣がある方が多いですが、この癖が距骨のゆがみを招く大きな原因のひとつです。
片足に重心をかけると、足首の関節には左右差のある負担がかかります。
片側の距骨が下方や内側・外側にズレやすくなり、結果として足首の安定性を失います。
さらに、そのアンバランスは膝や骨盤、背骨にまで波及し、全身のゆがみにつながるため、
「姿勢が崩れやすい」「腰が疲れやすい」といった症状にも直結します。
外反母趾の方はほとんどが重心をかけている方がひどくなります。
合わない靴
靴は距骨の健康を守る上でとても重要です。
サイズが合わない靴を履いていると、足首の関節が正しい動きを妨げられ、距骨に余計な圧力が加わります。
特に大きすぎる靴を履いていると靴の中で足が固定されず、足裏のアーチが崩れ、距骨が外側や内側に偏位しやすくなります。
また、ハイヒールのように踵が高い靴は、常に前方へ重心が傾いた状態になるため、距骨が前方にズレるリスクを高めます。
逆にクッション性の少ない硬い靴は、衝撃吸収が不十分で足首に負担を与え、距骨を不安定にします。
スポーツによる負担
繰り返されるジャンプ動作
バスケットボールやバレーボールのようにジャンプを多用するスポーツでは、着地のたびに足首へ大きな衝撃が加わります。
このとき本来なら足のアーチやふくらはぎの筋肉が衝撃を吸収しますが、繰り返し負荷がかかると筋肉疲労により吸収力が低下し、結果的に距骨が下方向や前方向へゆがみが生じやすくなります。
急な切り返しや方向転換
サッカーやテニスなどでは、急に方向を変える動きが多くあります。
その際に足首が内側や外側に強くひねられるため、距骨が左右にずれやすくなります。
特に「内反捻挫(足首を内側にひねるケガ)」は距骨の歪みを起こしやすく、
捻挫がクセになっている人は距骨が正しい位置に戻っていません。
そのため足首の安定感を失った状態になってしまいます。
長距離ランニングによる反復負荷
マラソンや長距離ランニングでは、一歩ごとに距骨に体重の数倍の衝撃が加わります。
走るフォームが崩れていたり、足裏のアーチが弱っていると、その衝撃が均等に分散されず、一部の関節に偏って伝わります。
これにより距骨が前後左右に微妙にズレ、次第に歪みが固定されていきます。
体幹や下肢の筋力不足
スポーツをしていても、体幹や股関節周りの筋力が不足していると、動作の安定性が低下します。
その結果、足首に過度な負担が集中し、距骨が不安定になりやすくなります。
特に成長期の学生アスリートは、まだ筋力が十分でないため距骨の歪みが起こりやくなります。
加齢や筋力低下
加齢に伴い、足首を支える靭帯や筋肉が弱まると、距骨が不安定になりやすくなります。
運動不足による筋力低下も大きな要因です。
整骨院での距骨治療
距骨のゆがみチェック
整骨院では、まず姿勢や歩き方、足首の可動域を確認し、距骨がどのようにズレているかをチェックします。
患者さんによって歪み方は異なるため、一人ひとりに合わせた評価が重要です。
距骨の調整
専門的な手技を用いて距骨の位置を整えることで、足首の安定性が改善します。
ポキポキ鳴らす矯正ではなく、優しいアプローチで安全に調整するのが特徴です。
筋肉・靭帯のバランス調整
距骨だけを整えても、周囲の筋肉や靭帯が硬いままでは、再びゆがみが生じやすくなります。
そのため、ふくらはぎや足裏、骨盤周囲の筋肉を調整し、体全体のバランスを整えていきます。
セルフケア指導
整骨院での施術と合わせて、自宅でできるセルフケアも大切です。
ふくらはぎのストレッチ、正しい歩き方の指導を行うことで、治療効果が長持ちします。
距骨を整えることで得られる効果
姿勢の改善
距骨が正しい位置に戻ると、自然と背筋が伸び、全身の姿勢が改善します。
スポーツパフォーマンス向上
足首の動きがスムーズになることで、走る・跳ぶといった動作が安定し、ケガの予防やパフォーマンスの向上につながります。
慢性的な不調の改善
腰痛や肩こり、頭痛といった慢性的な症状も、体の土台が整うことで軽減されるケースが多くあります。
まとめ
距骨は普段あまり意識されることのない骨ですが、実は体全体のバランスを支える「縁の下の力持ち」です。距骨がゆがむことで、足首だけでなく全身にさまざまな不調が広がる可能性があります。
整骨院での治療は、距骨を正しい位置に戻し、全身のバランスを整えるためにとても有効です。
「最近、足首が不安定」「膝や腰が痛む」「姿勢が悪い」と感じている方は、ぜひ一度整骨院での距骨チェックを受けてみてください。
エール接骨院のご紹介
エール接骨院は名東区藤が丘駅徒歩2分、提携駐車場完備の接骨院です。足の専門施術・距骨調整で、外反母趾や偏平足、姿勢や歪みを改善し肩こり・腰痛・スポーツ障害まで根本改善する整骨院です。
足・脚の不調対応(外反母趾・偏平足・O脚など)
体の土台を整えることで、下半身の悩みや体全体の不調を改善することができます。
スポーツ障害治療
交通事故治療
この記事を書いた人
エール接骨院 院長江里口隆之

経歴
- 滋賀大学教育学部卒業
- 米田柔整専門学校卒業
- サンマルシェわたなべ接骨院勤務
- さくらリバース治療院勤務
- 2009年 独立しエールながくて接骨院開院
2017年 エール接骨院に改名
資格
- 柔道整復師(2000年免許取得)
メッセージ
患者さんの健康にエールが送れるように考えて施術しています。しっかりと患者様の痛みや不調に寄り添いますのでどんなことでもご相談ください。
ご予約・お問い合わせ
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